FC2ブログ

「オリーブの木」構想-野党共闘の残された課題

日記
07 /17 2016
今回の参院選では「野党共闘」が選挙戦術の中心的なテーマとなった。野党にそのような選挙戦術を選ばせたのは、昨年、戦争法成立阻止のために国会前に集結した市民や学生の力だった。その立役者の一人、学生たちの運動の中心となった奥田愛基氏がインタビューに答えて、今回の参院選をこのように振り返っている。

SEALDs創立メンバー奥田愛基が見た「参議院選挙」

この記事で奥田氏も指摘しているように、前回の参院選では1人区で野党側議員の当選はわずか2、それと比較すれば今回、11人を当選させた1人区における野党共闘は、一定の成果を収めたと言えるだろう。

数の力で勝ることができない野党(リベラル勢力)にとっては、今回のこの共闘こそアベ政治にストップをかけ、リベラル勢力が政権を奪取するために必須の戦術だ。改めて考えてみれば「当たり前」のことなのだが、これまではそれが出来なかった、ということこそ問題なのだろう。

この野党共闘の勢いが東京都知事選にも受け継がれ、今回、野党4党の協力体制が出来、統一候補を立てることができたのは喜ばしいことだ。この勢いは当然、来る衆議院選挙にも受け継いでいくべきだ。

このように一定の成果を見た野党共闘だが、残された課題もある。それが表題の「オリーブの木」構想だ。簡単に説明すると、比例区の各野党の候補者は、所属政党はそのままで、選挙時だけ選挙用の野党統一届け出政党(「確認団体」)に所属する。その野党統一政党(確認団体)に投票された比例票は、それを構成する各政党の候補者に配分される。結果、各党毎に比例票を集めるよりも「端数(一議席獲得には届かない)」の票による無駄がなくなり、より多くの野党側議員が当選できる。

今回、残念ながらこの「オリーブの木」構想は実現しなかったのだが、もし実現していたら、結果はどう変わったのだろうか。たまたま、TVの報道番組で今回、「自公」が獲得した比例票と、「野党4党」が獲得した比例票のデータを伝えていたので、それを使って、結果をシミュレーションしてみた。

その報道番組によると、今回、自公を合わせた比例票は全国で約2800万票。対して野党4党を合計した獲得票数は約2490万票。(意外と「拮抗している」この数字を見ると、今回「自公が圧勝」というのは事実とはちょっと違う、という印象を持たれるのではないか。)

これを単純に比例配分して、野党4党が「オリーブの木」に集結した場合の獲得票数を計算してみると、野党21議席、自公23議席となる。今回、実際の結果は野党18、自公26であったから、「オリーブの木」がうまくいっていれば、野党側はプラス3議席を獲得できた可能性がある、ということだ。(ここでは「おおさか維新」など他の党の比例票については考慮していないので、上記はもちろん、精密なシミュレーションではない。)

さらに言えば、この「オリーブの木」が実現していれば、それに期待して投票する潜在的な野党票も増えた可能性もある。残念ながら、それは実現しなかった。これが今回の参院選の選挙戦術上、残された課題である。来る衆院選の比例区選挙においては、この「オリーブの木」構想を真剣に追及していくべきである、と筆者は考える。

(2016-7-17)
スポンサーサイト

参院選後の課題-憲法改悪を阻止するために多面的な闘いを

日記
07 /11 2016
参院選の長い闘いが終わった。我々は野党共闘で一定の成果は勝ち得たが、与党+改憲諸党・改憲派無所属議員を合わせて2/3となる事態を阻止できなかった。社民党は2議席確保に全力をかたむけて闘ったが、目標の達成はできなかった。

気が滅入るような結果だ。しかし、立ち止まっているわけにはいかない。憲法改悪を阻止する闘いはこれから、ますます厳しい局面を向かえる。安倍首相は選挙後の記者会見で早速、9月から改憲の議論を始めたい、と表明している。

選挙の結果には落胆せざるを得ないが、一方で与党の政策が本当に支持されているのか、という点については疑問が残る。

東京新聞の今日の朝刊一面では、参院選の結果と、同時に行われた共同通信の出口調査で「安倍政権下での改憲に賛成か・反対か」を聞いた結果を報道している。その結果は賛成39.8%、反対50%。政権の方向とは正反対である。

何故「改憲には反対」なのに自民党に投票するのか、という疑問も解明しなくてはならないが、この出口調査で示された「世論」と政権の方向とのギャップは、明確に(間接)民主主義における「代表制」の問題を示している。

選挙制度の在り方(小選挙区制か、比例制か)も問題だが、より重要なのは選挙制度そのものの問題だ。選挙で有権者は、その議員に全面的に「白紙委任」するわけではない。にもかかわらず、当選してしまえば、議員はやろうと思えばやりたい放題できる。それを防ぐには、選挙後も自分が選んだ議員がどういう仕事をしているのか、継続してチェックをしていくべきだが、なかなかそのようにはなっていない。

これまでも何度か書いたように、安倍首相の言う「改憲議論」は、まず緊急事態条項から始めるのではないか。本丸の9条改憲は世論の反対が大きいから、直接それを狙うことは不利、と政権は考えているからだ。この一見、分かりやすい緊急事態条項の危険性を徹底的に訴えていく闘いが当面、必要になってくるだろう。

今回、長い選挙戦を通じて感じることは、社民党の政策を浸透させるために、あらゆる手段(いろんな媒体・メディア上で、あるいは街頭演説で)を考えて取り組んでいく必要がある、ということだ。街頭で、集会で、ネットで、それぞれの党員ができることを続け、またできることを増やし(スキルアップし)、党だけでなく党員個々の宣伝力を高めていく必要がある。

その宣伝のターゲットとしては、とりわけ若い世代を重視すべきだろう。ある党員の話では、身近な若者に「このまま自公政権の下で改憲が行われたら、どんな日本になるか」と、社民党の主張を説明したところ、(政治的なことには無関心なのかと思っていたのだが)すなおに「それは大変な事態ですね。困ります。」と受け入れてくれたという。

つまり、問題は多くの人々、とりわけ若者たちが、政治的な判断を行うために必要な情報や意見を「聞かされていない」ということにあるのだ。先日、書いた「主権者教育」の問題にもつながる課題だ。

我々は、立ち止まることはできない。憲法改悪阻止のため、あらゆる手段を創造的に考え、社民党の政策への支持を広げるために、力強く、かつ持続的に活動を続けていこう。

(2016-7-11)

平和国家であり続けるのか、「戦争のできる国」になるのか、あなたが選択する日

日記
07 /09 2016
3週間におよぶ選挙戦も今日で終了、明日は日本が平和国家であり続けるのか、それともアメリカと共に海外に行って「戦争のできる国」になるのか、あなた自身が選択する日だ。

今回の参院選、TVは前回の衆院選以降、萎縮してしまったのか、参院選の重要な争点について視聴者にほとんど伝えず、もっぱら東京都知事選の話題でお茶を濁していた。「参院選の真っ最中に、なんで都知事選の話題ばかり?」と思った人も多いのではないだろうか。しかし、TVで伝えなくても、街頭での各党の宣伝合戦から、おのずと争点は明らかになってきたと思う。

TVに比較すれば、新聞各社はかなり頑張っているとは思う(もちろん、不十分な点は多々あるが)。東京新聞は一ヵ月前から、「参院選の4つの争点」として「くらし・アベノミクス」「安保法制」「原発」「憲法」を挙げ、それに沿って各党の論戦を報道してきた。今日の朝刊では、それら4つの争点について、3週間の論戦から見えてきた対立のポイントをまとめて報道している。東京新聞をお読みの方は、これを判断材料として明日の投票を決めていただくのも良いだろう。

この4つの項目で言えば、明日の投票先を決めるにあたっての判断ポイント(これは東京新聞ではなく、社民党としての見方である)は以下のようになるだろう。

「くらし・アベノミクス」--- 1%の大企業や富裕層を肥えさせ、99%の国民の生活を壊し、格差を拡大するアベノミクスをこのまま続けるのか、それとも社民党が主張する「国民の懐を直接、温め、安心して生活できる」社会を作るための、経済政策の大転換か。

「安保法制(戦争法)」--- 自国が攻撃されてもいないのに、アメリカと一緒になって海外に自衛隊を送り、殺し・殺される戦闘行動に参加するのか、戦後70年間続けてきた平和国家日本を守り抜くのか。

「原発」--- 「原子力村」の利権を守るため、あるいは「原発輸出」を「成長戦略」の一つとするため、再稼働に突き進むのか、それともドイツのように、「倫理にもとる」原発はスッパリとやめ、自然エネルギーに舵を切るのか。

「憲法」--- 憲法改正の発議に必要な2/3を改憲勢力が確保するか、それとも2/3を阻止し、戦後70年、平和国家日本を守ってきた憲法を守り抜くのか。

社民党は、日本を「戦争のできる国」にすることは絶対に阻止したい、そのために全力で行動していきたいと考えている。そのためには、直近の課題として「戦争法」を実際に発動させない、そして戦争法を廃止に追い込む運動、また憲法を絶対に改悪させない闘いが必要だ。

日本が民主主義・立憲主義を捨て、近代市民国家ならざる「専制国家」となっていくのか、選択肢はあなたの手にある。

最後に、このブログの紙面を借りて、この選挙期間中、多くの支援をいただいた方々、ボランティアで活動してくださった方々、そしてこのブログを読んでいただいた方々に、厚くお礼を申しあげたいと思います。これからも、平和で安心して生活できる社会、共生の社会を築いていくため、共に頑張っていきましょう!

社会をよくするためには、一人一人が声をあげ続けることが大切だ、と筆者は考えます。それを考えるとき、いつも思い浮かぶのは、次のニーメラーの有名な言葉です。

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった


(2016-7-9)

アベ政治の本当の狙いは憲法改悪-緊急事態条項に厳重注意!

日記
07 /08 2016
いよいよ投票まであと一日を残すだけとなった。本日、森ひでお選挙区候補と福島みずほ比例区候補は川崎駅からスタート、横浜駅、再び川崎に戻って新百合ヶ丘駅頭で共同の街頭宣伝。新百合ヶ丘駅頭では多くの市民活動家から激励のトークが続き、「小さき声のカノン」などで有名な映画監督の鎌仲ひとみさんも応援演説に駆けつけた。



森ひでお候補はその後、登戸駅小田急連絡通路、中央林間駅頭などで街頭宣伝を続けた。

福島みずほ候補が街頭演説のなかで強調するのは、「安倍首相がやりたいことはただ一つ、憲法改悪」だということ。祖父がなしえなかったことを、何としてもやりたいということだろうが、そんな「ファミリー・ヒストリー」に巻き込まれるのでは、国民はたまったものではない。

森ひでお候補が南スーダンPKOなどを例に挙げて強調するように、日本が「戦争をする国」になる事態は、すぐ近くに迫ってきている。国民が「まさか、そんな戦争になるなんて!」と油断している間に「気が付いてみたら戦争になっていた」ということは十分にあり得る。そのときになって「だまされた」と文句を言っても、もう遅いのだ。今回の選挙、自公の候補者に投票するということは、そのような危険をみずから選択するということだ。

日本を「戦争ができる国」にするために、もう一つ重要なステップが憲法への「緊急事態条項」の追加だ。この緊急事態条項は、自民党の「憲法改正草案」では第98条、第99条として「新設」されている。(以下の資料で、35ページ~36ページに条文と批判がある。)

自民党「日本国憲法改正草案」全文批判

「戦争」という異常事態にあって、行政権力(内閣)にフリーハンドを与えるのがこの緊急事態条項だ。一旦、内閣総理大臣によって緊急事態が宣言されると、緊急財政処分、自治体の長への指示が可能になるほか、内閣は法律と同じ効力を持つ政令を制定でき、基本的人権の制限もできる。

要するに、これは実質的にナチスの「全権委任法」と同じものだ。それによってナチスはリベラルと言われたワイマール憲法を骨抜きにし、暴虐の限りを尽くすことができたのだ。このように歴史的に危険なものであることが分かっているので、憲法に緊急事態条項を持つ国もあるが、そのような国の憲法では、それが権力の暴走を招かないように厳重な歯止めがなされている。

そのことを福島みずほが国会で「緊急事態条項はナチスの全権委任法と同じではないか」と追及したら、安倍首相は「批判がすぎる」とあきれた答弁。批判をするのは、国会のもっとも基本的な役割ではないのか。批判がなければ、誤った政策で国が暴走するのを止める手段がなくなってしまう。民主主義や国会の機能を分かっていないとしか言いようがない。

「緊急事態条項」というのは東日本大震災や熊本地震のような大きな災害があったときに、中央政府に強大な権限を与えた方が混乱なく対応ができる、などといった理屈をつけると一見、分かりやすく見えるため、「お試し改憲」として緊急事態条項を入れたらどうか、という声も聞こえるが、とんでもない勘違いだ。本丸の9条改憲はハードルが高いが、これならやりやすい、ということだろうが、緊急事態が一旦宣言されたら、ナチスと同じ状態になりかねない、大変に危険なものなのだ。だまされてはいけない。

緊急事態条項というのはなかなか、簡単に説明するのは難しいところもあるので、以下にいくつかの分かりやすい解説を紹介しておきたい。(二つ目は、以前にも紹介したものだ。)

本当に必要?「緊急事態条項」(毎日新聞2016-2-2特集ワイド)

緊急事態と憲法

最後に、上記のサイトでも引用されているが、「緊急事態」は意図的に作ることもできるのだ、という警告を。

「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。(中略)しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。(中略)とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ。」
(ナチスのナンバー2、ヘルマン・ゲーリングの証言。Wikiquoteより引用。)

(2016-7-8)

「アベノミクス」は大失敗-国民の懐を直接、温める経済政策を

日記
07 /07 2016
森ひでお候補は、連日の街頭宣伝で「アベノミクスは大失敗です。今こそ、国民の懐を直接、温める経済政策の転換が必要なときです。」と訴え続けている。

「アベノミクス」が大失敗である理由はいくつもあるが、最も分かりやすい表が社民党参院選公約ダイジェスト版にある。(ダイジェスト版のダウンロードはこちらから。)

「アベノミクス」は経済成長戦略であるはずだが、2016年の日本の成長率はこの表で最下位だし、2017年の見込みはなんとマイナスだ。これが世界からみた「アベノミクス」の実態であって、こんな経済政策がなぜ「この道しかない」なのか、さっぱり分からない。

世界の目からみた評価はこういったものだが、他の経済指標で、これまでの実績の数字を少し比較しても、「アベノミクス」の失敗は明らかだ。

たとえば「アベノミクス」の最も重要な目標の一つであるはずのGDP成長率は、民主党政権下の2010年~2012年は3年間平均で1.7%、これに対し、第二次安倍政権下の2013年~2015年の3年間平均では、わずか0.6%しか成長していない。「アベノミクス」のもう一つの重要な数値目標であるインフレ率も、目標の2%には遠く及んでいないし、こういう数字を見ると、どこが「経済最重視の政権」なのだろう、と首をかしげざるを得ない。

結局のところ、「アベノミクス」の依って立つ「期待インフレ」理論というのはインチキだし、「トリクルダウン」など起こらない、とこのブログでも何度も書いてきたが、それを専門家の目で分かりやすく解説した記事を見つけたので、是非ご紹介しておきたい。

「アベノミクスは大失敗」と言える4つの根拠

この記事の筆者の中原圭介氏は「野党議員も経済について勉強不足で、安倍首相の主張に的確に反論できていない」と苦言を呈されている。これも面白い記事なので、是非お読みいただきたい。

政治家の皆さん、「もっと経済を勉強しなさい」

経済政策は国民の生活に直結する、政治家にとって最重要な課題だ。我々社民党員も、経済政策についてしっかりと、さらに勉強していかなくてはならないと思う。

表題に戻って、社民党が公約に掲げている「国民の懐を直接、温める政策」の重要な項目は最低賃金の引き上げだ。

最低賃金の引き上げ

○最低賃金を全国一律、時給1000円に引き上げ、さらに、生活できる賃金を確保するために時給1500円を求めていきます。あわせて中小企業への支援を一体的に行います。現在の最低賃金は全国平均で時給798円で低すぎます。また、最低額(693円/鳥取県、高知県、沖縄県)と最高額(907円/東京都)の間には大きな開きがあります。地域別最賃を全国一律に転換し、地域間の格差を是正し地域社会の雇用を活性化させます。

○特定の産業または職業について設定される「特定最低賃金制度」は継続し、賃金の公平性が同等の資格や職種間で確保できるような仕組みに改変していきます。


森候補が街頭宣伝で常に訴えていることは「時給1500円が実現できれば、8時間・月20日の労働時間で24万円。これなら何とか生活できる。そうやって生活が安定してこそ、GDPの6割を占める個人消費も伸び、経済が活性化する。」ということだ。これが、社民党の主張する「ボトムアップ」の経済政策だ。今こそ「アベノミクス」の欺瞞を暴き、真に国民のためになる経済政策に変えていこうではないか。

(2016-7-7)

18歳選挙権-必要なのは主権者教育だ

日記
07 /06 2016
今回の参院選では国政選挙で初めて、18歳選挙権が適用される。新しく有権者に加わった18歳・19歳の投票行動がどのようになるのか、ふたを開けてみないと分からないが、この選挙年齢(被選挙年齢も)の問題は、今回の選挙だけでなく、長期にわたって考えていくべき課題だ。

選挙年齢の引き下げは世界の潮流であり、オーストリアなどは2007年から16歳選挙権を導入している。今日の東京新聞夕刊では、オーストリアの若者への政治教育の実情について取材した記事が掲載されている。その記事中で、特に目を引いたのは以下のくだりだった。

オーストリアが選挙年齢を引き下げた要因の一つに、歴史的な経緯がある。ドイツと同様に、市民の政治への無関心がナチスの台頭を許したとの反省から、自らの政治的意見を表明することを、社会人に必須の素養と位置付ける。(東京新聞7月6日夕刊「社会で育む16歳選挙権」より引用)

「政治的無関心」ほど危険な政治的立場はない、と改めて思わせられる。政治的無関心は実質的に、現政権の支持に他ならない。より原理的に考えれば、社会を構成するすべての個人が自分の立場を表明した上で、個々人の権利・利害や社会全体としての利害を調整していくシステムが民主主義なのだから、無関心であるということは民主主義を放棄するに等しい態度だといえるだろう。

日本はやっと今回、遅まきながら18歳選挙権に乗り出したわけだが、いわゆる「主権者(シチズンシップ)教育」については、これまで全く考えてこなかったわけだから、今後どのように高校などで政治的な教育をしていくのか、が重要な課題になってくる。

さらに、忘れてはならないのが、「被選挙年齢」の問題だ。ヨーロッパ諸国では18歳選挙権が主流で、被選挙年齢も同じ18歳。世界全体では21歳になると被選挙権が得られる国が多数派らしい。

まだ18歳で投票してるの?スウェーデンが16歳選挙権を検討する理由6つ

この記事にもある通り、日本の被選挙年齢は衆議院が25歳、参議院が30歳。あまりにも時代遅れ。これでは国会に若い議員が増えるわけがない。社民党は今回の参院選挙公約で、衆議院・参議院とも、まずは一律に5歳引き下げて、衆議院20歳、参議院25歳とすることを公約として掲げている。

(2)若者の政治参画

○18歳選挙権が実現したことを踏まえ、若者に民主主義の担い手として市民権を発揮してもらうための「シチズンシップ(主権者)教育」を充実するとともに、政治活動の自由を拡充します。選挙時における模擬投票の実施や、中学生・高校生議会の開催を推進します。

○被選挙権年齢を当面一律5歳引き下げることをめざします(衆議院議員・市町村長・自治体議員は20歳、参議院議員・都道府県知事は25歳へ)。

○働きながら立候補しやすいよう、立候補休職制度を導入します。世界的にも高額な供託金を引き下げます。また、一定数の推薦人を事前に集めることを立候補の条件とする方式も検討します。

○若い世代の声を行政に反映させたり、若者政策を総合的に推進したりするため、「若者庁」(仮称)の設置を検討します。


何度も言うように、若者の政治参画を促すために必要なのは、何といっても「主権者教育」だ。高校生に限らず、個人の自由な言論活動と政治活動を保証することは、民主主義の鉄則だ。高校生の政治活動を「届け出制」で縛るなど、決してあってはならない!

高校生どころか、社会人でも「政治のことは分からないから」という人がいるのは本当に残念なことだ。現実には、我々の生活のすべてに、政治の結果が反映されているわけであり、「分からない」「無関心」といっていれば、「誰か」が自分たちの都合の良いように政治を動かしていくだけのことだ。そういう状態は、民主的な社会とはとても言えない。

誰もが自分の政治的意見を自由に表明し、議論していけるオープンな社会=本来の民主主義的な社会を目指して、この息苦しい現状に、少しずつでも風穴を開けていきたいものだ。

(2016-7-6)

「戦争」はすぐそこに-戦争法の発動を阻止しよう

日記
07 /05 2016
参院選も公示後2週間、投票日まで残りあと4日。森ひでお神奈川選挙区候補は、今日は横浜市内、昨日4日は川崎市内を街頭宣伝で回り、市民に政策を訴えた。


(7月5日、横浜高島屋前にて)


(7月4日、川崎駅ラゾーナ口連絡通路にて)

森ひでお候補が街頭演説で訴え続けていることの一つが、表題の「戦争はすぐそこに迫っている」という彼の危機感だ。

「皆さんは、戦争なんてどこかよその国のこと、と思われているかもしれません。しかし戦争は、まさにすぐそこに、迫ってきているのです。この参院選が終われば、南スーダンに派遣されている自衛隊には新しい「駆けつけ警護」の任務が与えられます。これまで海外に派遣されても、他国の人々を殺さず、殺されることもなかった自衛隊が、初めて海外で武器を使用し、戦闘行動を行う可能性が現実のものとなるのです。自衛隊員が一発でも発砲すれば、そこから戦争が始まりかねないのです。戦争は、もはや他人事ではありません。この危機感を皆さんにも、共有していただきたいのです。」

この「駆けつけ警護」の任務は、本来なら、違憲の「戦争法」が施行された3月29日以降、すぐに自衛隊に与えられるはずだったが、参院選への影響を避けるために先延ばしされているものだ。森ひでお候補が訴えるように、参院選が終わった途端、事態は動き始めるだろう。それが「戦争法が発動する」ことの意味だ。

安倍首相を始め自公の候補は、憲法はもちろん、この安保法制(戦争法)についても、街頭演説では全く語らず、真の争点を隠し続けている。我々は、その欺瞞を暴き続けていかなくてはならない。今回の選挙は、「戦争法を発動させない」こと、そして「戦争法を廃止する」ための闘いだ。アベ政治の暴走を止めるため、最後まで闘い抜こう。

社民党参議院選挙公約2016 Change.1 平和

○日本国憲法の「平和主義」、「国民主権」、「基本的人権の尊重」の三原則を遵守し、憲法の保障する諸権利の実現を第一として、国民の生活再建に全力をあげます。憲法理念の具体化のための法整備や政策提起をすすめ、平和憲法を変えさせません。

○軍事力に依存する安倍政治に対抗し、「戦争法」(安保法制)に基づく戦争準備を厳しく厳しく監視し、発動を許さない取り組みをすすめます。集団的自衛権の行使を容認した7・1閣議決定の撤回と、「戦争法」の廃止を求めます。


(2016-7-5)

原子力に未来はない、自然エネルギーに舵を切れ

日記
07 /02 2016
今回の参院選、街頭演説では憲法・戦争法・アベノミクスの評価に重点がおかれ、原発の問題については、あまり取り上げられていないように感じる。安倍首相は特に、「アベノミクスの成果」ばかりを強調する。

しかし、原発の問題ももちろん、国の将来を決める重要な争点だ。しかも「アベノミクス」の第三の矢、成長戦略の一つが「原発輸出」なのだから、安倍首相も空虚に「アベノミクスの成果」ばかりを言い募るのではなく、自らの原発政策についても隠さず、具体的に語るべきではないか。

東電福島第一原発事故を経験して、原発は一旦事故を起こせば如何に甚大・過酷な被害をもたらすか、多くの人が知ったはずだ。

電力会社自身が出しているデータを使って、立命館大学の大島堅一さんが計算してみたところ、「原発は他の発電方式にくらべてコストが安い」という、従来の政府の宣伝も大ウソであることが分かってきた。

原発のコスト――エネルギー転換への視点 (岩波新書)

原発の危険性はすでに明らかで、経済的な合理性もないのに、なぜ政権は原発をやめようとしないのか。もちろん、これまで築き上げてきた「原子力村」の利権を守りたい、ということもあるだろう。もう一つ考えられることは、「核兵器開発のオプションを確保しておきたい」ということだ。実際、東電福島第一原発事故の後の2012年6月、原子力基本法には(こっそりと)「日本の安全保障に資するため」、という目的が付け加えられている。

第二条  原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。
2  前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。


現時点で具体的な核兵器開発の計画はないと思われるが、長年原発を運転し続けてきた結果、日本にはすでに長崎原発4000発分以上のプルトニウムが蓄積されているし、ミサイル技術もある(人工衛星を打ち上げる技術とミサイル技術は本質的に同じものだ)から、その気になれば短期間で核兵器開発はできるだろう。国際的に、日本が「潜在的核保有国」とみなされている所以だ。

しかし、そんな「安全保障上」の理由で危険な原子力を続けられては、国民はたまったものではない。福島第一原発事故を見て「原子力には未来はない」と(「原子力は倫理的でない」とも)悟ったドイツ国民はいち早く脱原発を決断し、自然エネルギーに舵を切った。

その結果、2011年時点では17.7%だった総発電に占める自然エネルギーの比率が、2015年には遂に30%を超えた。一方で自然エネルギーに舵を切る決断ができない日本は、事故後かなり増えたにせよ、いまだにわずか2.2%にとどまっている(水力を除く。2015年、電気事業連合会資料)。

ここでも、「政策の貧しさ」が国の未来に大きく陰を落としている。原子力に未来はない。脱原発・自然エネルギーに舵を切り、安心の未来をめざすのか、原発事故の不安や核兵器開発の可能性に不安を覚えながら生きる絶望の未来をめざすのか。参院選挙で、その意志を示そう。

社民党の原発政策については、参院選公約・総合版のChange.4 脱原発に詳細に書かれているので、是非お読みください。

参院選公約・総合版 Change.4 脱原発

(2016-7-2)

若者政策-返還義務のない給付型奨学金制度の創設

日記
07 /01 2016
社民党はこれまでも「すべての若者に『ホーム』を」を旗印に、(非正規雇用、ブラック企業など労働環境の悪化など)グローバリゼーションの結果としての若者の「生きづらさ」を具体的に解決し、真に若者が生きやすい社会を実現するための政策を主張してきた。

すべての若者に「ホーム」を(社民党の若者政策)

今回の参院選公約・総合版でも、この若者政策には特に一章を設けている(Change3. 若者)。

これらの政策課題の中で、福島候補、森候補が街頭演説で常に訴えていることの一つが、「返還義務のない奨学金制度の創立」だ。

○教育の機会均等を保障するため奨学金・育英制度を充実させます。奨学金は無利子を原則とし、返済滞納時の滞納金も悪質な例外を除いて課さないことにします。現行の「所得連動返還型無利子奨学金制度」は有利子奨学金利用者や返還中の旧利用者も含むより柔軟な制度に転換し、20年~25年継続して返還した者に対しては残債務の返還を免除する制度を設けます。

○国の制度として返還義務のない給付型奨学金制度を創設します。


現在、日本には、この「返還義務のない奨学金(給付型奨学金)」がどれくらいあるのか? 答えは驚くなかれ、0(ゼロ)である。筆者のような「団塊世代」には、これを聞いてびっくり、という人が多いだろう。当時は、学業成績優秀な学生に対して給付される(返還義務のない)奨学金があったし、返還する必要がある(貸与型)奨学金でも、教員や公務員職で一定期間努めれば、返還が免除されたからだ。

そんな団塊世代にとって、今の若者が直面している困難な状況は想像を絶する。現在、奨学金はすべて貸与制で、しかもそのほとんどが有利子。つまり実質的には紛れもない「学生ローン」であって、奨学金とはとても呼べないものだ。

具体的なデータを見てみよう。今の日本では、大学生の半数以上(2012年で52.5%)が「奨学金」を「借りて」大学に通っている。その利率は年3%。「ローン」であるから、卒業後は借りたお金を「日本学生支援機構」に返済しなければならない。返済期間は20年間。例えば月に10万円の「奨学金」を借りた場合、4年間で480万、これに利子が付くので、卒業時には500万円近い借金を背負うことになる。

それでも月々の返済が滞りなく出来れば良いが(正社員になることができず、非正規雇用の職にしかつけなかった場合、この月々の返済は大きな負担となる)、何等かの理由で返済金を滞納した場合、「延滞金(なんとこの利子が10%!)」が課され、負担はさらに重くなってしまう。

さらに3か月延滞すると、いわゆる「ブラックリスト(個人信用情報機関の延滞者リスト)」に登録され、クレジットカードなども作れなくなってしまう。延滞が9か月におよぶと、裁判所から支払督促を申し立てられることになる。この裁判所からの支払督促を受けた滞納者が2012年には1万人を突破し、大きな社会問題となっている。

社会に出たばかりの若者に対して、こういう厳しい「取り立て」をする「学生支援機構」とは一体何なのか。市井のサラ金会社と、実質的に違いがないではないか。

若者が借金の返済に苦しみながら生きていかなくてはならない、このような事態は、何としてでも解決しなければならない。その手段の一端が、社民党が主張する「無利子化」や「返還義務のない奨学金(給付型奨学金)」制度の導入だ。つまり「教育は個々の家庭の負担で行うのではなく、社会全体が負担して次世代を育てる」ということだ。

この問題に対する政権の動きはどうか。「ニッポン1億総活躍プラン」では、給付型奨学金制度の設立は財源を理由に、「検討する」という文言を示しただけで、実質的に導入を先送りした。

「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定)

毎日新聞は(閣議決定の前だが)以下のように報じている。

「給付型」見送り…政府、年末の予算編成で判断

結局、現政権は財源不足を理由に、やる気がないことが見え見えだ。社民党は、この参院選に勝利し、「給付型奨学金制度」の創立に向けて戦っていく。

(2016-7-1)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。