「戦争法案」の本当の狙いと言葉のゴマカシ

日記
08 /27 2015
先日YouTubeにアップされた8月19日の参議院平和安全法制特別委員会での福島みずほさんの質問動画を見たが、福島さんの質問に対する、政府側の答弁のひどさには驚かされる。

2015年8月19日 参議院 平和安全法制特別委員会

福島さんがISIL(いわゆる「イスラム国」)を空爆する有志連合に対する後方支援は、「法律の定義上」可能なのか、と質問している(法律の中身を問うている、「法律論」の質問である)のに対して、中谷大臣は「政策として、それは検討していない」という「政策論」を語るのみで、「法律としてどうなのか」については全く答えようとしない。そのために何度も何度も速記録が止まり、質問・答弁を再開しても同じことの繰り返し。

国会はまさに「法律」を作る場所。だから「法律」について、その内容について真摯に議論しなければならない場所のはずだが、そこで法律論の質問に担当大臣が答えないのでは、国会の機能が不全に陥っているとしか言いようがない。

何度注意を受けても、その都度同じことを繰り返すさまは「醜態」といってよいほどだ。これほどの醜態をさらしても答えたくないというのは、実はそこに本音があるからだろう。

政府は集団的自衛権行使の必要な理由として「中国の軍事的膨張」など「安全保障環境の変化」を強調しているが(これも、思い出していただければ最初は「ホルムズ海峡が封鎖されたら」という話ばかりだったのが、イランとの合意ができてしまったのでそちらの必要性は誰が見ても薄くなってしまい、最近になって急に言い出したものだ)、多くの識者が指摘するまでもなく、これだけ日米中の経済関係がお互いになくてはならない関係になっている現在にあって、近い将来、中米あるいは日中が武力的に衝突することなど考えられない。

だから「中国の脅威」は表向きの理由で、(特にアメリカの)本音は自衛隊に中東での米軍の軍事行動を「手伝って」もらいたい、ということなのだろう。アメリカはアフガニスタンとイラクで多くの犠牲を払ったにも関わらず(アフガンでは2342人の死者、イラクでは4491人の死者)、何の成果も得ていないばかりか、イラクでは戦後の混乱の結果「イスラム国」が勢力を伸ばし、それに苦しめられているのがアメリカの現状だ。財政的にも厳しくなって国民の間には厭戦ムードが高まるなかで、自衛隊が米軍の軍事行動の一部を肩代わりしてくれるのであれば、おおいにウェルカム。ならば、4月の安倍首相の米国訪問で、首相に上下両院合同会議での講演までさせた歓迎・サービスぶりも当然のこと。

ところで、「手伝って」と上に書いたのはいわゆる「後方支援」であるが、ここにも「言葉のゴマカシ」があることを指摘しておきたい。「日米防衛協力の指針(いわゆるガイドライン)」の英文では、この言葉はlogisticsとなっている。(ガイドラインの英文は以前、外務省のホームページで見ることができたはずだが、今、検索してみても見つけることができない。削除されてしまった?)logisticsは最近はビジネス用語としても普通に使うが、本来は軍事用語で、要するに「兵站」である。「兵站」であれば、立派に軍事行動の一部だ。ところが、これを「後方支援」と言い換えれば、何か戦闘行動とは関係ないようなニュアンスにすることができる。これが以前、小林節教授が「言葉の遊びをしないでほしい」と言われた部分だ。

logistics

いずれにせよ、そんなアメリカの勝手な都合のために、対米従属政権が進めている戦争法案は、何としても廃案に追い込まなくてはならない。アメリカと安倍政権の勝手な理屈で、日本の若者を海外に送り、血を流させてはならない。海外で人を殺し、殺させてはならない。

8月30日の「全国100万人大行動」に結集しよう!

戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動

(2015-8-27)