日銀「マイナス金利」政策について(まとめ)

日記
02 /03 2016
日銀初の(異例の)「マイナス金利」政策だったが、先日も予想した通り、早くも株価は下落している。(以下のサイトで、「5日」のタブをクリックしていただくと、最近5日間の株価の動きを見ることができる。「マイナス金利」発表後、1万8000円をうかがうレベルまで跳ね上がったが、今日は1万7000円を割る直前まで一気にダウン。)

日経平均株価

一般市民の常識を覆す「マイナス金利」という強力「カンフル剤」だったのだが、2日間で早くも効き目が切れたようだ。

この「マイナス金利」政策の及ぼす影響について、今日の東京新聞は「こちら特報部」で分かりやすく解説してくれている。東京新聞を購読されていない方もおられると思うので、この記事やその他のネット上の情報なども参考に、この金融政策がもたらすであろう(市民生活などへの)影響について、少し「まとめ」をしておきたい。

1.まず、民間銀行の預貯金の金利はすでに下がり始めている。日銀の「マイナス金利」によって国債の長期金利が下がり、そのため国債で資金運用している銀行の収益が下がり、結果として末端の個人向け預貯金の金利を下げざるを得ない、ということだ。

マイナス金利が預貯金直撃 ゆうちょ銀、金利下げも

2.「マイナス金利」の目的は「企業への貸し出しを増やす」ことのはずだが、上記のように民間銀行の収益を圧迫する政策でもあるので、財務状況が不安定で資金回収が不確実な中小企業などへの貸し出しはかえって縮小する(貸し渋り)こともあり得る。この場合、狙いとは全く逆の結果になってしまう。慶応大学大学院の小幡績准教授によると、このような貸し渋りの結果、ますますデフレに陥るだろう、とのこと。(あれ、「インフレ政策」じゃなかったのか?)

3.先日も書いたように、いくら金利が下がっても肝心の「需要」がなければ企業は設備投資などしない。現在は、これまでの「異次元金融緩和」の連続で、むしろ貸し出す先の見つからない資金が銀行にも余っている状況だ。そんな状況下で、「マイナス金利」によって貸し出しが増えるというのは机上の空論にすぎない。

本当に必要とされているのは「金融政策」ではなく「需要の拡大(可処分所得の拡大)」であって、それは例えば、相対的に所得の低い非正規社員や女性の所得を増大させる「同一労働・同一賃金」の仕組みを作ったり、女性が働きやすい環境を整備するための保育所増加など、必要な福祉政策を地道に実現していくことにこそ、本当の「経済再生」への鍵があるのだ。

4.結局、この政策は円安・株高を維持するためだけのもので(それも最初に見たように、すでに効果が薄れているようだが)、たとえそれがうまくいったとしても得をするのは一部の輸出大企業と富裕層だけで、格差をより拡大する悪政策に他ならない。

このように見ていくと、「アベノミクス」もいよいよ手詰まり、という感がある。「こちら特報部」の結語は、「マイナス金利」は「アベノミクス」の「終りの始まり」だ、となっている。

にも関わらず、また甘利氏の辞任というスキャンダルにも関わらず、内閣支持率は上昇して50%越えのようである。何故、そうなるのか。本当に不思議なのだが、支持の理由を尋ねても「他の内閣よりよさそうだから」といった曖昧な理由がいつも多数を占めている。そこをもっと掘り下げて探究し、逆にどうすれば我々の政策が支持されるようになるか、真剣に考えていかなくてはならないと思う。

(2016-2-3)