社民党の税制に対する考え方

もうお忘れかと思うが(私も忘れていたので、今調べてみた)2014年11月18日の記者会見で、安倍首相は「消費税10%への引き上げは絶対に先送りすることはない」と断言している。記者会見での文言を正確に再現すると、「再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言します。」と言い、その理由は「アベノミクスを進めることで、そういう経済状況を作り出すことができる」と言っている。

これはかなり「強い言葉」ではないだろうか。このくらいの言葉で約束したのに実現できなかったら、普通の市民の感覚では「嘘つき」と言われても仕方がないだろう。にも拘わらず、消費税10%引き上げを再度、先送りしたことについては「新しい判断」だと言い張り(素直に「私が間違っていました」と言えばよいのに、と筆者は思うが)、「参院選で国民の判断を仰ぐ」とした。

ここでちょっと論理的に考えてみよう。先ほどの論理は「アベノミクスが成功する(A)」ならば「先送りしない(B)」だから、論理学の記号で書けば A→B(AならばB)だ。高校数学で論理を習った人は(もう忘れてしまっているかもしれないが)、A→Bが正しければ、この「対偶」である¬B→¬A(BでなければAでない)も正しい、ということをご存じだろう。これを最初の言葉で再度、表すと「先送りする」ならば「アベノミクスが成功しない」となる。

こうして、「消費税10%引き上げの先送り」は「アベノミクスが失敗した」ことを意味することが、論理的に証明されてしまった。いい加減に、失敗したことを認めて欲しいものだ。

現政権が進めている税制の問題点は、消費税だけではない。社民党は今回の選挙公約で(総合版、Change2 くらし)、社民党が考える税制改革を訴えている。以下に、その内容を示しておこう。

(3)消費税増税は中止、公平な税制へ抜本改革

○①アベノミクス税制(不公平税制・消費税依存税制)の転換と「トリクルダウンではなくボトムアップ」の経済政策、②防衛費の縮減や不要不急の大規模公共事業の中止など歳出の見直し、③特別会計積立金・剰余金の適正化、官民ファンド・基金事業の縮減、政府資産の活用―などにより税収を増やし、必要な財源を確保します。

○「稼ぐ企業」を応援するとして、一層の法人税減税を実施するなど、家計に厳しく大企業を優遇するアベノミクス税制に対し、「所得再分配」機能と「応能負担」の強化を図る公平・公正な税制に向けた抜本改革を実現します。

○消費税率の10%への引き上げは、先送りではなく中止します。

○与党の進める消費税率10%引き上げと同時に実施される「軽減税率」は、税率8%の「据え置き」に他ならないため反対です。

○地域偏在の少ない地方消費税の割合を拡充し、地方の裁量権を高めます。

○「パナマ文書」の調査を徹底し、ケイマン諸島などタックス・ヘイブン(租税回避地)を利用したグローバル企業や富裕層の「税逃れ」の実態を明らかにします。同時に、日本がリーダーシップを発揮し、国際的な税逃れを防ぐ協調体制を構築するとともに、法人税の引き下げ競争に歯止めをかけ、消費税の輸出還付金の不正取り締まりも強化します。また、申告所得金額の公示制度(企業版長者番付)を復活します。

○大企業における巨額の内部留保の温床となっている大企業向け政策減税(租税特別措置)を抜本的に見直し、課税ベースを拡大するとともに、法人税率を引き上げます。

○中小企業に対する法人税率は恒久的に引き下げるとともに、外形標準課税の中小企業への拡大に反対します。

○所得税を基幹税と位置付けなおし、税率細分化による累進性の強化により、「所得再分配」機能と「応能負担」の強化を図ります。また、健康で文化的な生活を保障するため、基礎控除を大幅に引き上げ、税額控除化を検討します。

○金融所得に対する課税を強化し、総合課税を追求します。格差の世代間連鎖をなくすため、贈与税減税の流れを転換し、相続税・贈与税の課税を強化するとともに、富裕税を創設します。また、毛皮・宝飾品など奢侈品への物品税を導入します。

○地球温暖化対策税、ガソリン税、自動車関係税を、環境税(炭素税)として組みかえます。地球規模の課題を解決するため、国際連帯税(航空券連帯税、金融取引税)を導入します。

○NPO法人の社会貢献活動を支援するため、寄付金税制を拡充します。

○政府税制調査会の構成メンバーとして、中小・小規模事業者を増員します。


(2016-6-25)
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