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18歳選挙権-必要なのは主権者教育だ

日記
07 /06 2016
今回の参院選では国政選挙で初めて、18歳選挙権が適用される。新しく有権者に加わった18歳・19歳の投票行動がどのようになるのか、ふたを開けてみないと分からないが、この選挙年齢(被選挙年齢も)の問題は、今回の選挙だけでなく、長期にわたって考えていくべき課題だ。

選挙年齢の引き下げは世界の潮流であり、オーストリアなどは2007年から16歳選挙権を導入している。今日の東京新聞夕刊では、オーストリアの若者への政治教育の実情について取材した記事が掲載されている。その記事中で、特に目を引いたのは以下のくだりだった。

オーストリアが選挙年齢を引き下げた要因の一つに、歴史的な経緯がある。ドイツと同様に、市民の政治への無関心がナチスの台頭を許したとの反省から、自らの政治的意見を表明することを、社会人に必須の素養と位置付ける。(東京新聞7月6日夕刊「社会で育む16歳選挙権」より引用)

「政治的無関心」ほど危険な政治的立場はない、と改めて思わせられる。政治的無関心は実質的に、現政権の支持に他ならない。より原理的に考えれば、社会を構成するすべての個人が自分の立場を表明した上で、個々人の権利・利害や社会全体としての利害を調整していくシステムが民主主義なのだから、無関心であるということは民主主義を放棄するに等しい態度だといえるだろう。

日本はやっと今回、遅まきながら18歳選挙権に乗り出したわけだが、いわゆる「主権者(シチズンシップ)教育」については、これまで全く考えてこなかったわけだから、今後どのように高校などで政治的な教育をしていくのか、が重要な課題になってくる。

さらに、忘れてはならないのが、「被選挙年齢」の問題だ。ヨーロッパ諸国では18歳選挙権が主流で、被選挙年齢も同じ18歳。世界全体では21歳になると被選挙権が得られる国が多数派らしい。

まだ18歳で投票してるの?スウェーデンが16歳選挙権を検討する理由6つ

この記事にもある通り、日本の被選挙年齢は衆議院が25歳、参議院が30歳。あまりにも時代遅れ。これでは国会に若い議員が増えるわけがない。社民党は今回の参院選挙公約で、衆議院・参議院とも、まずは一律に5歳引き下げて、衆議院20歳、参議院25歳とすることを公約として掲げている。

(2)若者の政治参画

○18歳選挙権が実現したことを踏まえ、若者に民主主義の担い手として市民権を発揮してもらうための「シチズンシップ(主権者)教育」を充実するとともに、政治活動の自由を拡充します。選挙時における模擬投票の実施や、中学生・高校生議会の開催を推進します。

○被選挙権年齢を当面一律5歳引き下げることをめざします(衆議院議員・市町村長・自治体議員は20歳、参議院議員・都道府県知事は25歳へ)。

○働きながら立候補しやすいよう、立候補休職制度を導入します。世界的にも高額な供託金を引き下げます。また、一定数の推薦人を事前に集めることを立候補の条件とする方式も検討します。

○若い世代の声を行政に反映させたり、若者政策を総合的に推進したりするため、「若者庁」(仮称)の設置を検討します。


何度も言うように、若者の政治参画を促すために必要なのは、何といっても「主権者教育」だ。高校生に限らず、個人の自由な言論活動と政治活動を保証することは、民主主義の鉄則だ。高校生の政治活動を「届け出制」で縛るなど、決してあってはならない!

高校生どころか、社会人でも「政治のことは分からないから」という人がいるのは本当に残念なことだ。現実には、我々の生活のすべてに、政治の結果が反映されているわけであり、「分からない」「無関心」といっていれば、「誰か」が自分たちの都合の良いように政治を動かしていくだけのことだ。そういう状態は、民主的な社会とはとても言えない。

誰もが自分の政治的意見を自由に表明し、議論していけるオープンな社会=本来の民主主義的な社会を目指して、この息苦しい現状に、少しずつでも風穴を開けていきたいものだ。

(2016-7-6)