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「オリーブの木」構想-野党共闘の残された課題

日記
07 /17 2016
今回の参院選では「野党共闘」が選挙戦術の中心的なテーマとなった。野党にそのような選挙戦術を選ばせたのは、昨年、戦争法成立阻止のために国会前に集結した市民や学生の力だった。その立役者の一人、学生たちの運動の中心となった奥田愛基氏がインタビューに答えて、今回の参院選をこのように振り返っている。

SEALDs創立メンバー奥田愛基が見た「参議院選挙」

この記事で奥田氏も指摘しているように、前回の参院選では1人区で野党側議員の当選はわずか2、それと比較すれば今回、11人を当選させた1人区における野党共闘は、一定の成果を収めたと言えるだろう。

数の力で勝ることができない野党(リベラル勢力)にとっては、今回のこの共闘こそアベ政治にストップをかけ、リベラル勢力が政権を奪取するために必須の戦術だ。改めて考えてみれば「当たり前」のことなのだが、これまではそれが出来なかった、ということこそ問題なのだろう。

この野党共闘の勢いが東京都知事選にも受け継がれ、今回、野党4党の協力体制が出来、統一候補を立てることができたのは喜ばしいことだ。この勢いは当然、来る衆議院選挙にも受け継いでいくべきだ。

このように一定の成果を見た野党共闘だが、残された課題もある。それが表題の「オリーブの木」構想だ。簡単に説明すると、比例区の各野党の候補者は、所属政党はそのままで、選挙時だけ選挙用の野党統一届け出政党(「確認団体」)に所属する。その野党統一政党(確認団体)に投票された比例票は、それを構成する各政党の候補者に配分される。結果、各党毎に比例票を集めるよりも「端数(一議席獲得には届かない)」の票による無駄がなくなり、より多くの野党側議員が当選できる。

今回、残念ながらこの「オリーブの木」構想は実現しなかったのだが、もし実現していたら、結果はどう変わったのだろうか。たまたま、TVの報道番組で今回、「自公」が獲得した比例票と、「野党4党」が獲得した比例票のデータを伝えていたので、それを使って、結果をシミュレーションしてみた。

その報道番組によると、今回、自公を合わせた比例票は全国で約2800万票。対して野党4党を合計した獲得票数は約2490万票。(意外と「拮抗している」この数字を見ると、今回「自公が圧勝」というのは事実とはちょっと違う、という印象を持たれるのではないか。)

これを単純に比例配分して、野党4党が「オリーブの木」に集結した場合の獲得票数を計算してみると、野党21議席、自公23議席となる。今回、実際の結果は野党18、自公26であったから、「オリーブの木」がうまくいっていれば、野党側はプラス3議席を獲得できた可能性がある、ということだ。(ここでは「おおさか維新」など他の党の比例票については考慮していないので、上記はもちろん、精密なシミュレーションではない。)

さらに言えば、この「オリーブの木」が実現していれば、それに期待して投票する潜在的な野党票も増えた可能性もある。残念ながら、それは実現しなかった。これが今回の参院選の選挙戦術上、残された課題である。来る衆院選の比例区選挙においては、この「オリーブの木」構想を真剣に追及していくべきである、と筆者は考える。

(2016-7-17)