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社民党の選挙公約-差別とのたたかい

日記
10 /16 2017
社民党は、民族差別、障がい者差別、身分・出自による差別など、あらゆる差別に反対しているが、その中でも、現在の日本における最大の差別問題は、性による差別(男女差別・男女格差)であろう。東京新聞をご購読の方はご存じと思うが、東京新聞の日曜版には「世界と日本 大図解シリーズ」という、別刷りの解説記事が挟み込まれている。昨日、15日の大図解シリーズは、まさにこの「男女格差」について取り上げていた。とても良い図解記事なので、東京新聞をご購読でない方は、図書館などで是非、ご覧いただきたいと思う。

この記事では、「何が女性の活躍を妨げているのか?」という疑問に対して、そもそも採用段階で「女性を採らない」とする企業が全体の約4割、という驚くべき数字を挙げている。「男女雇用機会均等法」が出来てから30年もたつのに、我々はいまだこんな状況にあるのだ。

その4割の「壁」を超えてなんとか就職できたとしても、次には「女性のうち、56%は非正規雇用」という壁が待ち構えている。正規と非正規とでは、就職後に配置される部門・部署の違い、受けられる職務教育の違いが出てくる。ここで、その企業で昇進するチャンスに差がついてしまう。

その壁を何とか超えると、次に待ち受けているのが結婚、出産にあたっての大きな障壁だ。この記事によると、第一子出産後、継続して就業する人は53.1%。ほぼ二人に一人は就業し続けることをあきらめる。この問題の根底にはもちろん、育児を含む家事労働のほとんどが女性によって担われている現実がある。(そのさらに根底には、いまだに多くの人々に「男は仕事、女は家庭」という「性別役割分業」の意識が残っている、という現実があるだろう。)出産・育児の理由以外に、老親の介護のために離職する女性も多い。介護離職の8割は女性である、とこの記事は伝えている。

これだけ壁があれば、「女性の管理職比率(部長・課長クラス以上の比率)」の国際比較(これも、この図解シリーズ記事に示されている)で、日本が138か国中、124位という情けない数字も納得がいくというものだ。

安倍内閣は2015年に「女性活躍推進法」を制定した。その数値目標は「2020年までに女性管理職比率を30%にする」としたのだが、東京新聞のこの記事によると、2016年時点で女性管理職比率は9.3%。近年、増えてきてはいるものの、政府の目標である2020年までに30%、はほぼ絶望的と考えられている。それも当たり前で、女性が管理職に就くまでには、先述のような、いくつもの壁が待ち構えているのだから、それらの問題を具体的に一つ一つ解決していかなくては、目標の実現など不可能だ。安倍政権のかかげる「女性活躍社会」、あるいは「すべての女性が輝く社会」という政策フレーズが、如何にお題目にすぎないか、良く分かるデータだろう。

この日本における男女格差の問題を本当に解決するには、人々の意識の問題(性別役割分業意識)を含めて、真剣で具体的な変革の努力と、それを後押しする政治の力が不可欠だ。この問題について、社民党は党の綱領である社会民主党宣言の中で、「両性平等社会の実現」をうたっている。少し長くなるが、その全文を以下に掲載する。

両性平等社会の実現

性によって生き方の選択肢が狭められるようなことがあってはなりません。職業、社会、そして家族生活において男女は常に平等であるべきです。ジェンダー(社会的・文化的性差)に対する偏見や制度的障壁から自由になるよう、これまでの制度や秩序を見直します。女性が個人として尊重され、積極的に社会参画を果たすことができるように、女性に対するあらゆる差別を禁止するなどの環境整備に努め、クオータ制度の導入・定着を図ります。また、男女がともに子育てや介護など家族的責任を果たすことができる法整備と長時間労働・サービス残業の規制など、働き方の改善に取り組みます。


このような基本路線をベースに、社民党は今回の衆議院議員選挙の公約でも、この徹底した男女平等思想に基づく政策を進めていくことをうたっている。以下に、その部分を引用する。

5 両性平等を進め、男女共同参画社会の実現

〇憲法13条や14条、24条等を活かし、男女平等を徹底し、男女共同参画社会を推進します。

〇男女間の賃金格差の是正や処遇改善、マタニティ・ハラスメントの解消など、雇用における男女平等に取り組みます。

〇働き方や性に中立的な社会保障制度をめざします。男女が共に家族的責任を担うことができるよう、育児・介護の社会化に取り組みます。育児休業のパパ・クオータ(父親割り当て)制度を導入します。

〇政治分野における男女共同参画法を推進します。立候補者の男女比率の同等を目指すクオータ(割り当て)制度を検討します。女性が議員活動をしやすい議会環境の整備等を行います。

〇民法を改正し、選択的夫婦別姓、男女同一の婚姻最低年齢(18歳)を実現します。

○「性暴力禁止法」「性暴力被害者支援法」の成立を目指します。DV防止法やストーカー規制法を見直します。

〇リプロダクティブヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の視点から、女性の生涯にわたる健康課題に取り組みます。妊婦健診や分娩、不妊治療を健康保険の適用にします。

〇個人の尊厳、婚姻の自由や両性の本質的平等を改変する自民党改憲草案に反対するとともに、「家庭教育支援法案」や「親子断絶防止法案」に反対します。

〇抜本的な税制改革や男女の賃金格差の是正などと合わせて配偶者控除を見直します。

〇女性活躍の推進に国・地方が一体となって取り組むため、地域女性活躍推進交付金を充実します。


もちろん、現実にこれらの政策を進めていくにあたっては、もっと具体的にさまざまな問題に取り組んでいく必要があるだろう。しかし、日本で性差別(男女格差)の問題の改善が進まないのは、ここであげた「基本思想」に問題があるのではないだろうか。安倍政権は「女性活躍」といいながら、上記のような具体的な問題の解決には消極的だし、男女格差の解消(これが正しい言葉で、「女性活躍」などというのはゴマカシだ)を妨げている人々の意識の問題(性別役割分業意識)には取り組まないどころか、自民党の改憲案では「家族(家制度)」を持ち込み、個人の上に家族・国家を置こうと企んでいる。そういう基本思想では、「男性も、女性も、同じように個人として大切にされる(両性平等)」社会など実現しようがないだろう。

自民党改憲案では、9条のみならず、24条も壊されようとしている。9条はもちろん重要だが、24条もそれに劣らず重要だ、ということを再認識したい。

日本国憲法第二十四条
 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

(2017-10-16)