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社民党の参院選公約-社会保障の立てなおし

政策
07 /11 2019
今回の参院選の最大の争点は、何といっても年金をはじめとする社会保障制度をどう変えていくか、ということだろう。

金融庁の「年金2000万円足りない」報告書が大きな問題となり、麻生大臣が報告書を受け取らないとか(自分で諮問した結果の報告書なのに!)、「報告書がないのだから、この問題は予算委員会では審議しない」とか、参院選直前になって政権側の言語道断なふるまいが目に余る終盤国会であった。

これほど、「都合の悪いことには無視を決め込み、バレないように隠蔽を図る」という、この政権の常とう手段があからさまになったのだから、有権者はこのような政府の態度については、シンプルに、おおいに怒るべきではないか、と筆者は思うのだが、いかがだろうか。

しかし、真の問題はこの報告書の内容ではない。特に国民年金だけが頼りの人々は、「年金が毎月約20万もらえて、生活費に毎月26万円をかけるなんて、どんな人?うちはそんなに年金なんかもらえないよ!」という感想をいだいたのではないか。国民年金だけを受け取っている夫婦二人の世帯なら、あわせて10万円ちょっとだろう。年金が支給される年齢にになっても、何等かの収入を得るための仕事を見つけないと、とても暮らせない額だ。

実際、そういう人たちに聞いてみると、食費や住宅費などはどうしても削れないので、足りない分は交際費・文化費といった部分を削るしかなく、身内の結婚式・葬式に行けないとか、旅行は年に一回だけとかいった厳しい状況が伝わってくる。

金融庁の報告をその通りに受け取って「2000万円足りなくなるなら、投資を考えてみるか」などと考えられる人は、よほど余裕のある人だろうから、そうなさるのは勝手だが、2000万円をせっせと貯めるよりも、今のゴマカシの政治を変える方がよほど早くないか?ということも考えてみてもらいたいものだ。

それはさておいて、本当の問題は上記のような、普通の生活をするには全く足りない年金しかもらえない人々、また無年金の人々をどうするか、ということだ。それこそが、政治が解決すべき課題だ。社民党は、今まさに困難に直面している人々、最も弱い立場にある人々の立場にたって政治を行うことこそ、政党として最も重要な使命だと考えている。

年金制度については、先日に書いたように根本的な仕組みを見直す(「賦課方式」をやめ、「積み立て方式+税」で最低保証年金制度の確立をめざす)ことも重要だが、当面する課題を具体的に一つずつ、解決していく政治が求められている。社民党は、年金制度を含む「社会保障の立てなおし」のための政策として、以下を選挙公約に掲げている。

○ 安倍政権が行っている社会保障費の強引な抑制・削減をくい止めます。医療、介護の自己負担や保険料の増大、生活保護費の切り下げなどにストップをかけます。

○ 繰り返される年金支給の削減をやめさせます。「年金カット法」(2016年)の見直しを求めます。基礎年金について「マクロ経済スライド」による抑制を中止します。

○ 年金支給年齢の引き上げ(65歳を68歳~70歳へ)に反対します。GPIFによる株式運用比率の拡大は国民の年金積立金をリスクにさらします。安全かつ確実な運用に変更します。最低保障年金の創設に取り組み、無年金・低年金問題の抜本的な解決をめざします。

○ 地域の医療を守ります。医師、看護師など医療従事者の数を計画的に増やし労働条件を改善するとともに、医療の安全・質を向上させます。国公立病院の統廃合や民営化に歯止めをかけ、地域の拠点病院を守ります。

○ 市町村の国民健康保険制度を立て直します。低所得層が多いにもかかわらず保険料が高いのは構造的な問題です。削減してきた国庫支出の割合を計画的に戻します。滞納制裁や保険証の取り上げをやめさせ住民の健康を守ります。

○ 患者の自己決定権を尊重し、最善かつ安全な医療をすべての人が必要な時に受けられる医療制度を確立するため、「医療基本法」の制定に取り組みます。

○ 要支援者・軽度者サービスの保険給付はずし、訪問介護・通所介護などの利用制限、繰り返される介護サービスの縮小をやめさせます。介護利用料の2割負担、3割負担の撤回を国に求めます。利用料・保険料の減免制度に取り組みます。

○ 特別養護老人ホームを増設し「介護難民」の解消に取り組みます。特養建設に対する国庫補助を復活させるとともに、用地取得などの支援を行います。

○ 介護報酬を引き上げるなど、介護従事者等の賃金の引き上げと処遇改善を図ります。介護人材の養成、確保に取り組みます。

各党のサイトを見ればお分かりと思うが、今回の参院選で自公の年金に対する公約は「低年金の高齢者に対して、最大で(!)月5000円を上乗せする」というものだ。国民年金で月10万もらっている人は、10万5千円もらえるようになる。「それが解決策?」と言いたくなり、空いた口がふさがらない人がほとんどではないだろうか。

ここでも、問題は「税金の取り方と使い方を変えること」、つまり極めて政治的な問題なのだ。

トランプ大統領のいいなりに、高額で本当には日本の防衛の役にも立たない武器を買う金があるなら、その金をもっと福祉にまわせ!と怒りを覚えた人は、是非とも投票所に足をはこび、大企業と富裕層(とアメリカの武器の商人たち)だけが潤い、普通の市民の生活を破壊するアベ政治を終わらせて、普通の市民が平和に、安心して生きていける社会の実現を目指す政治に変えていくために、一票を投じていただきたい。

(2019年7月11日)