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「政治分野における男女共同参画推進法」について

政策
07 /16 2019
本日は、参院選の直接の争点ではないが、とても重要なこのテーマについて書いておきたい。

今年の5月23日、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行された。以下の内閣府男女共同参画局のホームページにその解説や条文などが掲載されているが、この法律の狙いは、国政だけでなく地方議会などすべての選挙で、候補者の男女比率が出来る限り均等になるように努力すること(罰則規定はない)にある。政党には、候補者の男女比率の目標値を定めることが求められている。

内閣府の「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」解説ページ

罰則はないものの、この法律は長年にわたり、真の男女平等社会を実現するために奮闘してきた多くの人々の頑張りの成果であり、画期的なものだ。もちろん、これはまだ、スタート点にすぎず、各政党には、この法律の理念にしたがって、立候補者の男女比率を均等にするために努力していくことが強く求められている。

この法律が必要な理由は明白だ。日本の女性議員比率は衆議院で10.1%。これは世界193か国の一院または下院(日本の衆議院にあたる)での女性議員比率の平均23.6%の半分にも満たず、193か国中157位、OECD諸国中では最下位。地方議会でも、政令指定都市などでは女性議員比率は10%を超えているが、町議会レベルでは10%以下。さらに、朝日新聞の調査によると、2018年時点で全国1788の地方議会のうち2割が「女性議員ゼロ」議会だという。

社会の人口の半分が、それに見合う代表を議会に送り込むことができていないこの現状は、「代表民主主主義」の原則に完全に反している、と筆者は思うが(同じ意味で、多くの票が「死票」となってしまう小選挙区制は非民主的な制度)、何故このような事態が長年、そのままになっているのか。社民党は「憲法を活かす政治を!」と主張し続けているが、これも憲法24条でちゃんと定められている「両性の本質的平等」という理念が、全く生かされていない具体的な例だ。こんな状況は、絶対に変えていかなくてはならない、と社民党は考える。

この「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が5月に成立したことにより、今年の統一自治体選、また今回の参院選においても、各政党の候補者の男女比率がどうなるか、が話題となった。東京新聞は公示直後の7月5日に、このテーマについて数字をあげて報道している。

女性候補28% 過去最高 目標値設定有無で政党差

女性候補比率が過去最高の28%となったのは、やはり5月に成立したこの「政治分野における男女共同参画法」の効果だろう。しかしその内容は与党(自公)と野党で「これほどはっきりと違いが出るか」と思うほど、この法律の基本理念を実現しようと思っているかどうかの、大きな差が表れている。

野党側はそれぞれ、目標を達成するために努力した、と言えるだろうが、この法律ができたにもかかわらず、与党(自公)側では、前回よりも女性議員比率が減っているのは、全く理解に苦しむところだ。(与党では「出たい人」が男性が多いので致し方ない、ということなのだろうか。「出たい人」ではなくて「出したい人」から立候補者を選んだほうが良いと思うが。)

野党の中で、社民党は比率ではトップなので、その点はちょっぴり誇りに思っても良いと思うが、もっと女性議員を増やすためには、もっと多くの立候補者を立てなくてはならないと思う。各野党はそれぞれ、頑張っていると思うが、「均等(男女比50%)」という法律の根本的な目標を達成しているのは、社民党と共産党のみだ。

筆者は、日本の政治の分野において現在のような男女比率の「偏り(女性議員が少なすぎる)」ことが、日本の政治をゆがめている一つの大きな要因であると思う。国会や地方議会で、女性議員が半分近くを占めるようになれば、政治の状況は今とガラリと変わるだろう。今のような、男性ばかりが政治を牛耳っている社会は、決して多くの人を幸せにする社会にはならないだろう。原理的な意味で、私たちの民主主義の代表の選び方が不公平なら、それによって作られる政策決定のシステムも、不公平な結果を生み出すものにしかならないだろう。

今回の参院選、少しでも多くの女性議員を国会に送り出す、そういう選挙でなくてはならない、と筆者は強く思う。

(2019年7月16日)